低温工学・超電導学会
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九州・西日本支部研究会/第1回材料研究会



2014年度の九州・西日本支部研究会/第1回材料研究会を下記のように開催いたします。
今回は、HTSを用いたMRIや加速器等直流マグネットで問題となっている1)線材・導体で誘起。
される遮蔽電流、2)遮蔽電流が作る単位体積当たりの磁気モーメントとして定義される磁化、
3)磁化の一周期積積分として定義される交流損失、4)磁化 ・交流損失の低減方法等々につ
いて平易に解説して戴き、また次期定常強磁場施設計画についても最新の情報をご講演戴き
ます。 奮ってご参加下さい。


                           記



当日の報告

九州・西日本支部研究会/第1回材料研究会「超電導線材・導体の磁化・交流損失」が、2014年
7月25日2014年4月25日(金)午後1時20分より電気ビル本館にて開催された。講師5名を含む41
名の参加者があった。
まず、九州工業大学の松下先生から、「超電導体の電磁現象基礎」と題してご講演いただいた。
超伝導体内の磁束構造とピンニングから始まり、臨界状態モデルと交流損失までを解説いただい
た。次に、九州大学の岩熊先生から、「超電導線材・導体の構成法と交流損失-LTSとHTSの相違-」
と題してご講演いただいた。低温超電導線材や導体がどういう考え方に基づいて設計されていた
かが説明された。また、高温で使用できる高温超電導線材・導体が、低温超電導線材・導体とは
大きく異なる思想で設計し得ることが解説された。さらに高温超電導機器の開発状況について紹
介された。ISTEC?SRLの町氏より、「RE系超電導線材の低交流損失化加工」と題してご講演いただ
いた。テープ形状のRE系超電導線材のヒステリシス損失の低減に有効なフィラメント化技術につい
て解説していただいた。それから、ISTEC-SRLが進めているレーザースクライビング加工について
説明いただいた。次に、鹿児島大学の川越より、「ポインチングベクトル法による交流損失測定」
と題して講演した。電気的な交流損失の測定法の基本はポインチングベクトル法であることを説
明した。その基本に忠実に測定する測定システムの例と実際の測定例を紹介した。最後に、東北
大学の淡路先生より、「次期定常強磁場施設計画の進捗」と題してご講演いただいた。強磁場コ
ラボラトリ計画について概要が説明され、25T無冷媒超電導マグネット開発が進行中であるこ
とが紹介された。その25T無冷媒超電導マグネットの設計について説明された。

(鹿児島大学 川越明史)