H25年度 外国人著名研究者による特別講演会

H25年度 外国人著名研究者による特別講演会のお知らせ



米国オハイオ州立大学よりMichael Sumption 教授をお招きし、
"Recent Progress and Future Prospects of MgB2 Wire
Development and Its Applications(二ホウ化マグネシウム線材な
らびにその機器応用に関する最近の状況と今後の展望)"と題した特
別講演会を開催いたします。

Sumption 先生は、超伝導材料の特性評価、ならびに超伝導線材の電
磁現象評価、特に最近ではMgB2 超伝導線材の開発に関して顕著な業
績を残されている第一線の研究者として知られています。

本セミナーでは、世界最大のMgB2 線材のメーカーであるHyper
Tech 社と共同で行われているプロジェクトや、オハイオ州立大学で
行われているその他の先進研究についてご紹介頂きます。超伝導分
野の研究者、学生の皆さんは勿論のこと、どなたでもご参加できま
すので、多数のご参加をお待ちしております。

※車でご来学される方は、ゲートでの入構手続きの際に本開催通知
をお示し下さい。入構料が免除されます

日時: 2014 年3 月11 日(火) 15:30〜17:00
場所: 九州大学伊都キャンパス 稲盛財団記念館 会議室 C
〒819-0395 福岡市西区元岡744
(リンク先の地図39 番 http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/ito/ito.html)
共催: JST-ALCA
九州大学超伝導システム科学研究センター
九州電力寄附講座
応用物理学会九州支部(予定)
参加費: 無料

Recent Progress and Future Prospects of MgB2 Wire
Development and Its Applications

Michael Sumption
Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA

Recent progress and future prospects of MgB2 wire
development and its applications will be presented. In
particular, collaborating research with Hyper Tech which is
known as the biggest commercial MgB2 wire manufacturer and
other advanced activities in Ohio State University will be
introduced.

問い合わせ先: 木須 隆暢
九州大学大学院システム情報科学研究院
Phone : 092-802-3686, Fax : 092-802-3677
E-mail: kiss(at)sc.kyushu-u.ac.jp

実施報告

九州・西日本支部H25年度 外国人著名研究者による特別講演会実施報告

Recent Progress and Future Prospects of MgB2 Wire Development
and Its Applications

Michael Sumption
Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA

 Recent progress and future prospects of MgB2 wire
development and its applications will be presented. In
particular, collaborating research with Hyper Tech which is
known as the biggest commercial MgB2 wire manufacturer and
other advanced activities in Ohio State University will be
introduced.

日時: 2014年3月11日(火) 15:30〜17:00
場所: 九州大学伊都キャンパス 稲盛財団記念館 会議室C
〒819-0395 福岡市西区元岡744
リンク先の地図39番 
共催: JST-ALCA
九州大学超伝導システム科学研究センター
九州電力寄附講座
応用物理学会九州支部
参加費: 無料

上記の通り、米国オハイオ州立大学よりMichael Sumption教授をお
招きし、"Recent Progress and Future Prospects of MgB2 Wire
Development and Its Applications (二ホウ化マグネシウム線材な
らびにその機器応用に関する最近の状況と今後の展望)"と題した特
別講演会を開催しました。Sumption先生は、超伝導材料の特性評価、
ならびに超伝導線材の電磁現象評価、特に最近ではMgB2超伝導線材
の開発に関して顕著な業績を残されている第一線の研究者として知
られています。このたび、JST戦略的創造研究推進事業ALCAの国際研
究交流の一環として来日されることから、九大での講演をお引き受
け頂くことができました。

本講演では、世界最大のMgB2線材のメーカーであるHyper Tech社と
共同で行われている線材開発の話題はもちろんのこと、バルク・薄
膜・導体・コイルについても言及され、MgB2という材料に関して基
礎から応用の入り口まで広い範囲をカバーされていました。具体的
には、内部Mg拡散(IMD)法によるMgB2線材に関して近年飛躍的な特
性向上に成功していること、TEM観察を通じてIMD法におけるMgB2フィ
ラメント形成メカニズムを調査されていること、薄膜を用いて材料
のポテンシャルやドーピングの効果を評価されていることについて、
体系的なお話を頂きました。また、線材特性に関してはJcとn値の相
関が非常に強いこと、応用に近いところではツイスト導体やコイル
のクエンチ特性などについて情報提供を頂きました。

当日は、九大・九工大・NIMSなどから参加者があり、特にMgB2線材
の開発・評価に関わっている研究者からは、質疑応答というよりは
議論に発展するような質問が数多く投げかけられました。一方、若
手研究者の素朴な質問には、非常に丁寧に応対されているのが印象
的でした。その中で、近年性能向上したMgB2線材の特性はすでに
MRIへの応用に十分であるという見解が披露されました。また、MRI
メーカーとの議論では、使用環境としては4 Kであってもよく、温度
マージンを確保できることだけでも従来のNb-Ti線材に置き換える価
値があるということでした。今後の展開をかなり良い方向に期待さ
せる貴重な講演会となりました。

最後になりましたが、JST-ALCAをはじめ各共催団体に深くお礼申し
上げます。

文責:東川甲平(九州大学)