低温工学協会九州・西日本支部 平成17年度 特別講演会


講演者: David Larbalestier教授
         米国ウィスコンシン大学マジソン校、応用超伝導センター長

   講演題目: Superconducting Materials---Recent Advances and Challenges
         for Practical Power Applications (tentative)


7月に米国ウィスコンシン大学マジソン校のLarbalestier教授が、京都で開催される複合超伝導材料の機械歪特性に関するワークショップ( MEM05: 議長 長村光造教授)への参加のため来日されます。この際に、九州に訪問して頂き、先進超伝導線材開発の現状と応用への展開について特別講演をして頂くことになりました。

Larbalestier教授はウィスコンシン大学応用超伝導センターのセンター長を務められており、超伝導材料の研究開発について、米国のみならず世界的なオピニオンリーダとして活躍されております。金属系超伝導材料の黎明期から、組織制御とピン止め特性改善に関する先進的な仕事をされると共に、高温超伝導材料においても米国内の線材開発プロジェクトの中心的存在で、特性評価、組織観察、プロセス制御の有機的な連携のもと、ビスマス系ならびにイットリウム系線材の臨界電流特性向上に重要な貢献をされています。MgB2に関しても、その超伝導特性発見直後から線材化に関する研究をいち早く開始され、磁界下の特性向上のための示唆に富んだ研究成果を挙げられています。
 また、後進の育成にも尽力されており、その気さくで穏和なお人柄とも相まって、国内外の多くの若手研究者たちからも大変慕われる存在です。超伝導研究者にとって勿論のこと、学生や若手の研究者の皆さんにとって示唆に富んだ講演会に成ると確信しております。是非、近くの方々をお誘い合わせのうえご参加下さい。

日 時: 2005年7月21日(木) 13:30〜15:00
   場 所: 九州大学 ベンチャービジネスラボラトリー 3階 セミナー室地図

〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1
  ・福岡空港および博多駅から市営地下鉄にて中洲川端駅で貝塚行きへ乗換
     → 箱崎九大前駅下車(2番出口)徒歩4分
  ・ お車の方は、国道3号線側「小松門」のみ通行可能。

共 催: 九州大学 超伝導システム科学研究センター
参加費: 無料

参加申し込み・問い合わせ先:
木須 隆暢
九州大学大学院システム情報科学研究院
〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1
Phone: 092-642-3910, Fax: 092-642-3963,
E-mail: kiss@sc.kyushu-u.ac.jp


当日の様子


松下支部長と相談中のLarbalestier教授




Larbalestier教授による講演

講演題目は「Low Angle Grain Boundary Issues in YBCO and Coated Conductors」でした。 講演はYBCOコート材における結晶粒界の弱結合の問題とピンニング 効果について、観察や実験を元にして説得力のある解説が続きまし た。時には白板に図を描きながら熱心に説明してくださいました。 後半ではCaドープによりどのような変化が結晶内部において起こっ ているかという説明がありました。1時間半の講演予定時刻を越え て質問に答えてくださいました。
参加者数は35名でした。若い人たちへの超伝導の魅力について尋ねた ところ、Caドープのところで使った電顕写真を交えて、ナノテクがあ る、トップレベルの理解と機材が必要になり、チャレンジするのが非 常に面白い。また若い人でも画期的な発見をするチャンスがある。た とえばMgB2などの例が近年でもある。これらのことをおっしゃってお られました。

講演後、木須先生の実験室の見学

講演会の後、九州・西日本支部の活動などを通じてお話をし、夕方か らは懇親会もおこないました。Larbalestier教授は帰国後すぐに DOEのピアレビューがあり、お忙しい日程をぬっての講演でした。大 変貴重でありがたかった講演でした。
Last modified: Tue Jun 14 11:50:14 JST 2005